星たちとの記憶 -1986年3月ハレー彗星ー

全般

ハレー彗星は78年周期の大彗星で、前回の帰還は40年前の1986年でした。1985年頃から世間ではハレーの話題が徐々に増え、大学4年生だった僕もハレーの撮影を計画していました。

このときの回帰は日本ではあまり条件がよくなく、南にいくほど良くみえそうです。最接近は4月なのですが、会社に入社が決まっており、どのような仕事や職場になるのかまったく不明です。
時はバブル前夜で「卒業旅行」なるものが流行り始めており、3月に南に行くことをつらつら考えていました。海外旅行は未経験で、お金もないので国内で検討します。

そんなときに生協のパンフでみつけたのが小笠原でした。

小笠原でハレー(1986.3.14-3.19)

日程は5泊6日で、宿泊はフェリー(おがさわら丸)の船室(ホテルシップ)です。
行き帰りは2等の一般(雑魚寝)室ですが、滞在中は相部屋の2段ベッド。夜間でも出入り自由で格安なので学生にはピッタリでした。
ツアーの費用5万円くらいだったような記憶があります。
東京までの往復は電車(国鉄)で当然ながら新幹線はまだ無いので、夜行の急行能登の普通席でした。総予算は8万円。旅行メモには両親から2万円援助とありました。

3月は卒論の時期ですが、講座の先生に相談し、早めに提出・発表会にしてもらえました。
出発の前日の富山から夜行電車で移動です。
ツアーには一人で参加ですが、東京駅まで先輩が同行してくれました。
赤道儀一式とカメラなどで荷物がとにかく重く、しかも徒歩で移動だったので、東京竹芝桟橋まで荷物を持ち替え持ち替えしながら、なんとか6時ごろに到着。乗船手続きをします。
東京を10時に出発して父島到着は翌日の午後2:30。26時間半の船旅です。
なんと遠いことか!船内には同じ目的と思われる学生がたくさんいました。

父島には3泊滞在でしたがいっこうに晴れず、最後の夜にようやく晴れそう、ということで観光しながらロケハンして目星をつけていた山に向かいます。
レンタカーで同室になった学生と一緒に目的地へ。
案の定そこには多数の観測者がいました。
すっきりとは晴れず、雲間からようやく撮影できたのがキャプチャの写真になります。

晴れ間を待ちながら皆さんと雑談しているうちに、東京理科大の天文同好会のグループであることがわかりました。
最後に皆で記念撮影し、「78年後の今月今夜にまた会いましょう」と約束。(そのときは100歳です^^;)

東京理科大学の天文サークルの皆さん+その他の方と記念撮影

天の川とハレー

自分が撮ったのか、どなたからか頂いたのか定かでないのですが、天の川とハレーが写った写真が手元にありました。

1986年3月~4月と思われます。撮影記録がないので定かではありません。

撮影日時が不明なので、ChatGPTにUPして分析させました。
人間が同定するとなると基礎知識や計算が必要になるのですが、AIなら直ぐに分析してくれます。
すごい時代になりました。

画像と歴史記録を突き合わせた推定撮影日は以下です。
推定撮影日(結論)最も可能性が高い:1986年3月19–22日(特に 3月22日 が最有力)。
根拠(要点)
あなたの写真に写る「天の川の明るい部分(干潟星雲 M8/三裂星雲 M20 がある領域)」と彗星の位置関係は、ハレー彗星が1986年3月中旬〜下旬に射手座(Sagittarius)〜いて座付近を通過していたという史実とよく一致します。
複数の公開写真・記録で、3月18–22日頃にハレーが「射手座の天の川付近」に写った高品質写真が多く残されていることが確認できます(例:3/19、3/21、3/22 の記録)。

学術観測(偏光観測や天体写真の報告)でも19日頃に観測記録があるため、19–22日のレンジが最も妥当です。
精度の範囲と注意点
写真的推定のため、±数日〜1週間程度の誤差はあり得ます。
「3月22日」を最有力とした理由は、公開されている同構図(射手座の“ティーポット”付近と彗星)の写真にこの日付が頻出するためです。

より厳密に特定する方法(ワンステップで可能)
もし**正確な撮影日時(±数時間)**まで確定したければ、次を実行します(どちらか選んでください):
画像を Astrometry.net にアップロードして plate solve(恒星照合) → 得られた画像中心の RA/Dec と画角を私に教えてください。私が 1986年のハレーの軌道データと突き合わせて、具体的な年月日と推定時刻を出します。
または、私の方で同じ Astrometry.net を使って照合(あなたが画像をここに再アップロードして許可する必要あり)して、結果をそのまま解析して報告します。

Astrometry.net にUPして解析させ、その結果をChatGPTに与えます。

— あなたがくれた WCS(画像中心の RA/Dec)と撮影地点の経緯度を使って、画像が写されたと推定される日時の絞り込みを行いました。手順と結論を簡潔に示します。
前提(私が使った情報)
画像中心(Astrometry.net の結果):RA = 282.448° (=18h49m47.5s),Dec = −27°07′
画角:約 36.7° × 24.9°(広角)
撮影地点(あなたの提示):北緯 36°32′28″,東経 137°02′11″(JST = UTC+9)
彗星:先に同定した 1P/Halley(1986年) の通過は 1986年3月中旬〜下旬(特に 19–22日が最有力)

手法(要約)
画像中心の RA(18h49m47s)に対して、その RA が**当地で地平経度に対応する時刻(=その RA が局所恒星時 LST に来る時刻)**を計算しました。
— 通常、星野を撮るとき撮影者は空の中心をほぼ望遠鏡の視野中央(あるいは写野の中心近く)に合わせることが多いので、「LST ≈ 画像中心の RA」になる時間は撮影時刻の良い近似になります(※ただし撮影者が中心を天頂付近や特定方位に向けていた場合はずれます)。
ハレー彗星がその時期に画像内に入るか(RA/Dec が近いか)を照合して、日付の絞り込みを行いました。
計算結果(LST が RA=18h49m47s になる時刻)
(UTC と日本標準時 JST 両方を示します)
1986-03-18 → UTC 09:58:58 = JST 18:58:58
1986-03-19 → UTC 09:55:01 = JST 18:55:01
1986-03-20 → UTC 09:51:06 = JST 18:51:06
1986-03-21 → UTC 09:47:10 = JST 18:47:10 ←(中心通過の時刻はこのあたり)
1986-03-22 → UTC 09:43:14 = JST 18:43:14
1986-03-23 → UTC 09:39:17 = JST 18:39:17
1986-03-24 → UTC 09:35:22 = JST 18:35:22
(※上は「その日の LST がちょうど画像中心の RA になる瞬間」を示します。)

最終推定(結論)
最も可能性が高い日時(ローカル/日本時間):
1986年3月21日 18時47分頃(JST)。
ただし現時点の不確かさ:日付は 3月19–22日の範囲、時刻は ±数十分の誤差があり得ます。
→ 現実的には 1986年3月20日〜22日の 18:40〜19:00 JST のどこか、3月21日 18:47 JST 前後が最有力です。
根拠:画像中心の RA/Dec とハレー彗星の 1986 年経路(3/18–24 の RA/Dec)との整合性、及び当地でその RA が見えるローカル恒星時からの推定。

1986年3月21日は小笠原旅行から帰ってきており、卒業式の前の空いた頃だったので富山で撮影した可能性はあります。
こんなこともわかるなんで面白いですね。

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